大関昇進が決定した稀勢の里に、新大関としての意気込み、先代親方との思い出などをインタビューしました。

Q1:大関昇進までを振り返っての感想を教えてください。
自分では、長かったと思います。
場所前に先代の師匠が急逝しましたが、いつも「自分を信じてやりなさい」と教えていただいていたので、
その言葉を胸にしまって頑張りました。
Q2:口上に込められた思いは?
今の自分の素直な気持ちです。気持ちをそのまま伝えたいと思い、親方や先代のおかみさんにも相談して決めました。
これからも一層努力していきたいという気持ちを、そのまま伝えました。
Q3:自分が思う、稀勢の里らしい相撲!とは?
立ち合いで思い切り当たって、相手に圧力をかけて、激しい相撲を取りたいと思っています。
Q4:大関昇進を決めて、地元の方でも賑やかになっているようですね?
皆様に喜んでいただいて私も嬉しく思っています。しかし、決して自分ひとりの力で大関に上がったわけではありません。
相撲協会の皆様をはじめ、先代の師匠や、おかみさん、鳴戸部屋の関係者の方々、今まで応援してくださった方々、協力してくださった皆様のお陰です。
Q5:どのような大関を目指しますか?
心の面でも体の面でもまだまだ未熟です。
心も体ももっと鍛えて、相撲協会の大関として恥ずかしくない相撲を取りたいと思います。
Q6:心に残っている先代親方との思い出を一つ教えてもらえますか?
昨年の九州場所では、横綱の63連勝を止めることができました。
あの日、取組を終えて宿舎に戻り、親方の部屋に挨拶に行ったら、一言「よし」と声をかけていただきました。その短い言葉が、私の心にとても響きました。本当にうれしかったです。
そしてチャンコの席に着いたら、テーブルに鯛が用意されていました。付け人に「どうしたの?」と聞いたら、「親方が用意してくれました」と聞き、「よし」という言葉だけでも嬉しいのに、感激しました。
後日、おかみさんにお話を聞きましたところ、親方は過去何年かの横綱戦の編集したDVDを福岡に持ってきており、当日の朝3時までDVDを見て、2〜3時間仮眠をして稽古場に向かったそうですが、
途中、また引き返して、もう一度見ると言ってDVDを見て稽古場に行ったそうです。
一番の相撲に賭ける思い、執念は、さすがに横綱まで上がった人だなあと、改めて尊敬しました。
Q7:相撲は、どんなところが魅力だと思いますか?
相撲は、土俵の上だけではなくて、生活のすべてが相撲につながっている、とても奥の深いものだと思います。
土俵外のことすべてが相撲に直結していると、先代親方は言っていました。
チャンコを作ることも、そうじの仕方ひとつとっても、すべて土俵につながっていると教えられました。
今も胸に残っている先代師匠の言葉に、宮本武蔵の「鍬も剣なり」という言葉を思い出します。
武士にとって剣を振っている時だけが勝負ではない、畑仕事からもたくさん学ぶことがある、
火を見て感じること、風から感じ取ること、水から感じることもある、
自然の物からも、自分の心構えひとつによっては、気付き、学ぶことがあると、おっしゃっていました。
身の回りのものすべてが師だということです。
親方は、ただ時間を無駄に過ごすのではなく、よく思考をしながら何かをすることの重要性を説いていました。
今の自分には、まだ難しいことかもしれませんが、先代師匠の教えを守り、
今一度原点に立ち返って、なお一層、力士修行に精進していきたいと思います。
Q8:今年を振り返って、どんな一年でしたか?
今年は大きな震災がありました。自分の故郷でも被災した方がたくさんいました。
自分がいい相撲を取ることで、被災した方々を元気づけることができたら嬉しいです。
自分も、被災しながら頑張って前向きに生きている皆さんから、多くのパワーを頂きました。
Q9:初場所、新大関として、そして初優勝に向けての意気込みをお願いします。
これからも上を目指して頑張ります。

